Claude Code が 2026-05-11 〜 2026-05-22 にかけて v2.1.139 〜 v2.1.148(v2.1.146 は公開リリース無し)を出しました。前回の v2.1.132〜138 まとめが「回している人ほど効く修正回」だったのに対し、今回は agent view という新しい画面と /goal という新しい走らせ方が入った、機能の追加が主役の期間です。
この記事は、各変更を「何に使えるのか」「どう設定するのか」という実務目線で整理します。バージョン単位の羅列ではなく、テーマ単位でまとめます。
全体像
| バージョン | 公開日 | 主な変更 |
|---|---|---|
| v2.1.139 | 2026-05-11 | agent view(claude agents、Research Preview)、/goal、/scroll-speed、claude plugin details、hook の args exec 形式 / continueOnBlock |
| v2.1.140 | 2026-05-12 | subagent_type の大文字小文字・区切り無視マッチ、/goal のハング修正 |
| v2.1.141 | 2026-05-13 | hook の terminalSequence、CLAUDE_CODE_PLUGIN_PREFER_HTTPS、claude agents --cwd、Rewind「Summarize up to here」 |
| v2.1.142 | 2026-05-14 | fast mode が既定で Opus 4.7 に、claude agents の各種フラグ、root 直下 SKILL.md を skill 認識 |
| v2.1.143 | 2026-05-15 | プラグイン依存関係の強制、marketplace に context コスト見積り表示、worktree.bgIsolation: "none" |
| v2.1.144 | 2026-05-19 | background セッションの /resume 対応、/model がセッション単位に、“extra usage” → “usage credits” 改名 |
| v2.1.145 | 2026-05-19 | claude agents --json、OTEL span に agent_id、Bash 権限バイパスの修正、Read tool の PARTIAL view |
| v2.1.147 | 2026-05-21 | /simplify を /code-review に改名(挙動も変更)、pinned background セッション、auto-updater 改善 |
| v2.1.148 | 2026-05-22 | v2.1.147 で入った Bash の exit 127 回帰の修正(ホットフィックス) |
(v2.1.146 は公開リリースがありません。)
agent view — 複数セッションを 1 画面で(v2.1.139〜)
今回いちばん大きいのが agent view です。v2.1.139 で Research Preview として入りました。
実行中・自分の入力待ち・完了 ——すべての Claude Code セッションを 1 つのリストで見られる画面。
claude agentsで開く。
公式ドキュメントは agent view のページにあります。
何に使えるか
これまで Claude Code を複数並行で回している人は、ターミナルのタブやウィンドウを行き来して「あのセッションは終わったか」「どれが自分の返事を待っているか」を目視で追うしかありませんでした。agent view はそれを 1 画面に集約します。
- 夜間に
claude --bgで投げた重いリファクタが、朝「2 件完了・1 件が入力待ち」と一目で分かる claude agentsのターミナルタブのタイトルに入力待ち件数が表示される(v2.1.145)ので、別ウィンドウで作業していても「誰かが待っている」と気づける
この期間でどれだけ育ったか
agent view は v2.1.139 の初出から、ほぼ毎リリースで強化されています。実用面で効くものを挙げると:
claude agents --cwd <path>(v2.1.141)— セッション一覧を特定ディレクトリに絞る。複数リポジトリを触っていると効く- ディスパッチ用フラグ(v2.1.142〜143)—
--add-dir/--settings/--mcp-config/--plugin-dir/--permission-mode/--model/--effort/--dangerously-skip-permissionsをclaude agentsに渡し、そこから起動する background セッションの既定にできる claude agents --json(v2.1.145)— ライブセッションを JSON で出力。tmux-resurrect やステータスバー、セッションピッカーにスクリプトから組み込める
# 実行中セッションをスクリプトから扱う(ステータスバー等)
claude agents --json | jq '.[] | select(.status == "awaiting_input") | .id'
- background セッションの
/resume対応(v2.1.144)—claude --bgや agent view から起動したセッションが、対話セッションと並んで/resumeの一覧に出る(bg印付き) - pinned background セッション(v2.1.147)—
claude agents内でCtrl+Tでピン留め。アイドルでも生き続け、Claude Code の更新時はその場で再起動、メモリ逼迫時も非ピン留めセッションが先に落とされる
並行運用が前提の機能群なので、worktree 並列や --bg をすでに多用している人ほど恩恵が大きい変更です。background セッションまわりは agent view 以外にも多数の修正が入っています(後述)。
/goal — 完了条件を決めて走らせ続ける(v2.1.139)
v2.1.139 で /goal コマンドが入りました。
完了条件をひとつ決めると、Claude がターンをまたいで作業を継続し、条件が満たされるまで走り続ける。対話・
-p(非対話)・Remote Control のいずれでも動く。経過時間・ターン数・トークン数がオーバーレイにライブ表示される。
何に使えるか
「1 ターンで終わらないが、終わったかどうかは機械的に判定できる」作業に向いています。
/goal pnpm test がすべて green になるまで直し続ける
- テストが全部通るまで、型エラーが 0 になるまで、lint が clean になるまで——といった収束条件のあるループを、こちらが毎ターン「続けて」と言わなくても回せる
-pで動くので、非対話のスクリプトから「条件を満たすまで」のジョブとして起動できる
Code with Claude 2026 で示された自動実行系の流れ(キーノートまとめ)と地続きの機能です。なお v2.1.140 で「disableAllHooks / allowManagedHooksOnly 設定時に /goal が無言でハングする」不具合が、v2.1.143 で「background shell や委譲した subagent がまだ動いている最中に評価器が発火する」不具合が修正されています。hooks を絞っている環境で挙動が変だった人は v2.1.143 以降に上げてください。
/code-review — /simplify からの改名と挙動変更(v2.1.147)
v2.1.147 で /simplify が /code-review に改名されました。名前だけでなく挙動も変わっています。
- 指定した effort レベルで正しさ(correctness)のバグを報告する。例:
/code-review high --commentを付けると、指摘を GitHub PR のインラインコメントとして投稿する- 旧
/simplifyの「整理して修正する」挙動は削除された
何に使えるか・移行の注意
# PR を出したあと、レビュー指摘を PR にインラインコメントで自動投稿
/code-review high --comment
PR ベースで開発しているなら、--comment 付きでセルフレビューの一次パスを自動化できます。一方で、/simplify を「コードを整理させるコマンド」として使っていた人は移行が必要です。旧挙動(cleanup-and-fix)は無くなったので、整理目的なら通常の指示に切り替えてください。/code-review は指摘するだけで、自動で直すコマンドではない、と理解しておくと混乱しません。
fast mode が既定で Opus 4.7 に(v2.1.142)
v2.1.142 で、fast mode の既定モデルが Opus 4.6 から Opus 4.7 に変わりました。
- 4.6 に固定したい場合は
CLAUDE_CODE_OPUS_4_6_FAST_MODE_OVERRIDE=1を設定する
Opus 4.7 は挙動の差分(Opus 4.7 の breaking changes)があるモデルです。fast mode を多用していて出力の傾向が変わったと感じたら、まずこの変更を疑ってください。プロンプトや subagent の組み方を 4.6 前提でチューニングしていた場合は、4.7 に合わせ直すか、上記の環境変数で一時的に 4.6 へ固定するかの二択になります。
プラグイン — 入れる前に「コスト」が見える(v2.1.139〜145)
プラグイン関連は、**「インストール前に中身とコストが分かる」**方向で揃ってきました。
claude plugin details <name>(v2.1.139)— プラグインのコンポーネント一覧と、セッションあたりの推定トークンコストを表示- marketplace の browse ペインに projected context cost(v2.1.143)— ターンあたり / 呼び出しあたりのトークン見積りが出る
/pluginの Discover / Browse 画面(v2.1.145)— インストール前に、そのプラグインが持つ commands / agents / skills / hooks / MCP・LSP サーバーを表示- 依存関係の強制(v2.1.143)—
claude plugin disableは、別の有効なプラグインが対象に依存していると拒否(無効化チェーンのヒント付き)。claude plugin enableは推移的な依存を force-enable する - root 直下の
SKILL.md(v2.1.142)—skills/サブディレクトリを持たず root にSKILL.mdだけ置いたプラグインも、skill として認識されるようになった
何に使えるか
プラグインは便利な反面、context window を静かに食うのが悩みどころでした。claude plugin details と marketplace のコスト表示で、入れる前に「これは何トークン食うのか」を判断できます。「常用するには重いが、特定タスクのときだけ有効化する」といった運用判断がしやすくなります。
# 入れる前にコンポーネントとトークンコストを確認
claude plugin details some-plugin
hooks の新フィールド(v2.1.139 / .141)
hooks にも実用的なフィールドが増えました。
args: string[](exec 形式)(v2.1.139)— コマンドをシェルを介さず直接 spawn する。パスのプレースホルダをクオートしなくてよい(スペース入りパスで詰まらない)continueOnBlock(v2.1.139)—PostToolUse用。trueにすると、hook が拒否したときに拒否理由を Claude に返してターンを継続する(止めずに「直して」と伝えられる)terminalSequence(v2.1.141)— hook の JSON 出力フィールド。制御端末が無くてもデスクトップ通知・ウィンドウタイトル・ベルを出せる- Stop / SubagentStop hook の入力に
background_tasksとsession_cronsが追加(v2.1.145)
exec 形式の使いどころ
従来の文字列コマンド形式は、${CLAUDE_PROJECT_DIR} のようなプレースホルダを展開した結果にスペースが入るとクオートで悩みがちでした。args の exec 形式なら配列要素がそのまま 1 引数になるので、その問題が消えます。
{
"type": "command",
"command": "/usr/bin/python3",
"args": ["${CLAUDE_PROJECT_DIR}/scripts/format hook.py"]
}
上の例は、scripts/ 配下のパスにスペースが含まれていてもクオート不要で安全に渡せます。なお ${CLAUDE_PROJECT_DIR} は、v2.1.139 で MCP の stdio サーバーにも環境変数として渡るようになり、プラグインの設定からも参照できるようになっています。
Rewind「Summarize up to here」(v2.1.141)
v2.1.141 の Rewind メニューに 「Summarize up to here」 が入りました。
そこまでの古いターンだけを要約して圧縮し、直近のターンはそのまま残す。
長い設計議論やデバッグセッションで、「序盤の探索はもう要約で十分だが、直近のやり取りは精度を保ちたい」というときに使えます。会話全体の自動コンパクションとは違い、どこまでを畳むかを自分で選べるのがポイントです。
知っておきたい修正(セキュリティ・回帰)
新機能以外で、把握しておきたい修正を絞って挙げます。
- 権限プロンプトのバイパス修正(v2.1.145) — Bash コマンド内で、allowlist 外の環境変数への単純な代入が自動承認されてしまう挙動が修正されました。権限まわりの修正なので、この期間で最も優先度の高いアップデート理由です。
- Bash の exit 127 回帰(v2.1.147 → v2.1.148 で修正) — v2.1.147 で一部ユーザーの Bash ツールが全コマンドで exit 127 を返す回帰が入り、v2.1.148 のホットフィックスで直りました。v2.1.147 を踏んでしまった場合は v2.1.148 へ即更新してください。
- 起動時の最大 75 秒ハング修正(v2.1.144) —
api.anthropic.comに到達できない環境(キャプティブポータル・ファイアウォール・VPN)で起動が長くハングしていた問題。サイドチャネルの API 呼び出しが 15 秒でタイムアウトするようになりました。 - Read tool の PARTIAL view(v2.1.145) — ファイル全体の読み込みがトークン上限を超えたとき、ハードエラーではなく先頭ページを切り詰めて「PARTIAL view」表示を返すようになりました。巨大ファイルで会話が止まりにくくなります。
- background セッションの安定化 —
worktree.bgIsolation: "none"(v2.1.143、worktree が現実的でないリポジトリ向けに background セッションが作業コピーを直接編集できる設定)をはじめ、macOS のスリープ復帰・Windows のスクロール・worktree クリーンアップなど、background 系の修正が多数入っています。
ユーザー視点の重要度ランキング
- 権限プロンプトのバイパス修正(v2.1.145) — セキュリティ修正。理由を問わずまず上げる
- Bash exit 127 回帰の修正(v2.1.148) — v2.1.147 を踏んだ人は即更新
- agent view(v2.1.139〜) — Claude Code を並行運用しているなら今回の主役
/code-reviewへの改名(v2.1.147) —/simplifyを使っていた人は移行が必要(旧挙動は削除)- fast mode の Opus 4.7 化(v2.1.142) — fast mode の出力傾向が変わったと感じたらこれ
/goal(v2.1.139) — 収束条件のあるループ作業を非対話で回したい人に- プラグインのコスト可視化(v2.1.139〜145) — context 圧迫に悩んでいたなら判断材料が増える
推奨アクション
- 全ユーザー:
claudeを v2.1.148 に更新する(セキュリティ修正と exit 127 回帰修正の両方を含む) - 複数セッションを並行運用している人:
claude agentsを試す。スクリプト連携するならclaude agents --json /simplifyを使っていた人:/code-reviewへ移行。自動修正はしてくれない点に注意。PR 運用なら--commentを活用- fast mode を多用している人: 既定が Opus 4.7 になった。4.6 前提のチューニングがあるなら
CLAUDE_CODE_OPUS_4_6_FAST_MODE_OVERRIDE=1で固定するか、4.7 に合わせ直す - hooks を書いている人: パスのクオートで困っていたら
argsの exec 形式へ。PostToolUseで「止めずに直させたい」ならcontinueOnBlock: true - プラグインを多用している人:
claude plugin detailsで常用プラグインのトークンコストを一度棚卸しする
まとめ
今回は agent view と /goal という、Claude Code の使い方そのものを増やす追加が入った期間でした。どちらも「並行で回す」「長く走らせる」方向の機能で、Claude Managed Agents や Code with Claude で示された自動化の流れと一貫しています。同時に、/simplify → /code-review の改名のように移行が必要な変更や、権限バイパス修正のような見落とせないセキュリティ修正も含まれます。新機能だけ追わず、v2.1.148 まで上げてしまうのが今回の正解です。
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