Claude には Haiku 4.5 / Sonnet 5 / Opus 4.8 / Fable 5 という階層があり、価格は 10 倍の開きがあります。「賢いほど良い」でも「安いほど良い」でもなく、タスクに対して最適な階層を選ぶのが正解です。本記事は、これまで個別に検証してきた内容を 1 枚の判断基準にまとめた実践チートシートです。各記事への入口としても使えます。
到達点
- 4 モデルの価格とスイートスポットを一望する
- モデル選択の 5 つの判断軸を押さえる
- 選び方のフローをチートシートとして持つ
- 安いモデルを引き上げる手法の使い分けを整理する
- 定額 / 従量での配分の違いを把握する
価格とスイートスポット(一覧)
per 1M トークン(Sonnet 5 は 8/31 までの導入価格)。
| モデル | 入力 | 出力 | スイートスポット |
|---|---|---|---|
| Haiku 4.5 | $1 | $5 | 単純・大量・定型処理 |
| Sonnet 5 | $2 | $10 | 主力。一般的な作業の大半、agentic |
| Opus 4.8 | $5 | $25 | 最難関の推論・重い判断(定額の天井) |
| Fable 5 | $10 | $50 | frontier の一撃(7/8 以降サブスクは従量) |
出力は入力の 5 倍単価。「賢いモデルに長く喋らせる」のが最も高くつく、というのが全体を貫く原則です。
5 つの判断軸
どのモデルかは、次の軸で決まります。
- 難度:安いモデルで外すか? 外すなら上位へ
- 検証可能性:正誤を機械的に判定できるか?(テスト・照合)
- コンテキスト量:入力は小さいか、大きいか
- ボリューム:1 日数十回か、数千回か
- 課金形態:定額枠内か、従量(API/クレジット)か
選び方のフロー(チートシート)
① 単純・定型で大量?
→ はい:Haiku 4.5
→ いいえ:②へ
② まず Sonnet 5(主力)で試す。外す/難しい?
→ 十分:Sonnet 5 で確定
→ 外す:③へ
③ 正誤を機械的に検証できる?(テスト等)
→ はい:Sonnet 5 × 複数回 + 自動検証(安く天井へ)
→ いいえ:④へ
④ 計画がボトルネック(長期エージェント)?
→ はい:Sonnet 5 実行 + Opus/Fable を advisor に
→ いいえ:⑤へ
⑤ 最難関の一撃。コンテキストは小さい?
→ 小さい:Opus 4.8、なお足りなければ Fable 5(数セント)
→ 大きい:Opus 4.8(Fable 5 は従量が跳ねるため避ける)
各モデルの使いどころ(詳細)
Haiku 4.5 — 単純・大量
分類・抽出・整形など定型で量が出る処理。Batch API と組めばさらに安い。難度が上がると素直に Sonnet 5 へ。
Sonnet 5 — 主力
デフォルトはここ。agentic に強く、1M コンテキスト。一般的な開発・執筆・調査の大半をカバーします。移行時の注意(トークナイザ +30%、手動 thinking 廃止、sampling 固定)は リリース解説 と 推論制御の記事 を参照。
Opus 4.8 — 最難関の推論
Sonnet 5 で外す重い判断・難しい設計。定額枠で使える上位です。ただし thinking: {type: "adaptive"} を明示しないと思考オフなので注意(推論制御)。
Fable 5 — frontier の一撃
最上位だが高価で、7/8 以降サブスクは従量クレジット($10/$50)。小入力・小出力・高難度・低頻度なら 1 コール数セントで実用的(低コンテキストのコスト考察)。大コンテキスト・高ボリュームでは避ける。
安いモデルを引き上げる 4 手法
「上位に上げる」以外に、安いモデルのまま質を上げる手があります。
| 手法 | 効くタスク | 参照 |
|---|---|---|
| 低コンテキスト(入力・出力を絞る) | 全般(枠・コスト・精度に効く) | 低コンテキスト考察 |
| 検証器つき多数回(Sonnet 5 を N 回 + 自動検証) | 検証可能(コード+テスト・数学) | 2 手法の検証 |
| advisor tool(上位を助言役に) | 計画が効く長期エージェント作業 | 2 手法の検証 |
| effort 制御(思考量を要所に) | 推論の深さを配分したいとき | 推論制御 |
共通の限界は、能力の天井は超えられないこと。回数・助言・思考は「引きの悪さ・計画の弱さ」を救いますが、「能力の欠如」は救いません。そこを超える品質が要るなら、素直に上位モデルを実行に据えます。
定額 vs 従量での配分
- 定額プラン(Pro/Max/Claude Code):天井は Opus 4.8。Sonnet 5 主体、難所を Opus 4.8。使用枠を燃やさない工夫(コンテキスト規律・計画モード・一発で当てる)がそのまま品質になる(定額プランの実践)
- 従量(API/クレジット):トークン量がそのままコスト。Fable 5 は要所の一撃だけクレジットで
- 組織配布:
availableModels+enforceAvailableModelsで承認モデルを固定(モデルガバナンス)
まとめ(1 行チートシート)
単純は Haiku、大半は Sonnet 5、難所は Opus 4.8、frontier の一撃だけ Fable 5。安いモデルは「低コンテキスト・検証器・advisor・effort」で引き上げ、能力の天井が要るときだけ上位を実行に据える。
モデル選択は「性能表を見て一番賢いのを選ぶ」ゲームではありません。タスクの難度・検証可能性・コンテキスト・ボリューム・課金形態の 5 軸で、必要十分な階層を当てる——そして足りない部分だけ手法で補う。この判断ができると、Claude は「賢いが高い」道具から、「用途ごとに最適コストで効く」道具に変わります。各手法の詳細は、本記事からリンクした個別記事をどうぞ。