前回の v2.1.152〜v2.1.168 まとめ 以降、Claude Code は 2026-06-08 から 2026-06-10 にかけて v2.1.169 から v2.1.172 まで進みました(v2.1.171 は単独の公開エントリなし、最新は v2.1.172)。
このレンジは、トラブルシュートと運用を楽にする小機能(--safe-mode / /cd / disableBundledSkills)と、サブエージェントの 5 段ネスト、そして Claude Fable 5 への対応(v2.1.170)が見どころです。各変更を「何に使えるか」「上げるべき理由は何か」で整理します。
全体像
| バージョン | 公開日 | 主な変更 |
|---|---|---|
| v2.1.169 | 2026-06-08 | --safe-mode、/cd、disableBundledSkills、self-hosted runner の post-session フック、claude agents --json の --all/id/state、OTEL クライアント証明書パスの信頼確認漏れ修正(セキュリティ)、エンタープライズ MCP ポリシーの再接続時適用修正ほか |
| v2.1.170 | 2026-06-09 | Claude Fable 5 への対応(更新で利用可能に)、VS Code 統合ターミナル等での transcript 未保存バグ修正 |
| v2.1.171 | — | 単独の公開エントリなし |
| v2.1.172 | 2026-06-10 | サブエージェントが自身のサブエージェントを最大 5 段までネスト、Bedrock の ~/.aws リージョン読み取り、/plugin の検索バー、WebFetch のワイルドカードドメイン許可修正、1M コンテキストの行き詰まり自動コンパクト修正ほか |
トラブルシュートが一気に楽になる 3 つ(v2.1.169)
--safe-mode — まず素の状態で切り分ける
--safe-mode(環境変数 CLAUDE_CODE_SAFE_MODE)で、CLAUDE.md・プラグイン・skill・hooks・MCP サーバーをすべて無効化して起動できます。
何に使えるか: 「挙動がおかしいが、自分のカスタマイズが原因か本体か分からない」ときに、素の Claude Code を一発で再現できます。プラグインや hook を一つずつ無効化して試す手間が消えるので、不具合報告の前の切り分けに最適です。
/cd — キャッシュを壊さず作業ディレクトリを移す
/cd コマンドで、セッションの途中で作業ディレクトリを変更できます。しかもプロンプトキャッシュを壊しません。
何に使えるか: モノレポで「別のパッケージに移って作業を続けたい」ときに、セッションを開き直さずに移動できます。キャッシュが温存されるので、移動のたびに履歴を再処理するコストもかかりません。
disableBundledSkills — バンドル skill をモデルから隠す
disableBundledSkills 設定(環境変数 CLAUDE_CODE_DISABLE_BUNDLED_SKILLS)で、バンドルの skill・workflow・組み込みスラッシュコマンドをモデルから隠せます。
何に使えるか: 自社の skill だけを使わせたい、組み込みコマンドの誤発火を避けたい、コンテキストを絞りたい、といった運用で効きます。
サブエージェントの 5 段ネスト(v2.1.172)
サブエージェントが、自身のサブエージェントを最大 5 段までネストして起動できるようになりました。
何に使えるか: 「親が分割 → 子がさらに分割 → …」という階層的なタスク分解が、1 セッション内で深く回せます。直前に出た Claude Fable 5 のような長期エージェント作業と相性が良い変更です。深いネストは並列度とトークン消費も増えるので、/usage でのコスト把握と併用するのが実務的です。
Claude Fable 5 への対応(v2.1.170)
v2.1.170 で Claude Fable 5(Opus の上位「Mythos クラス」を一般利用向けに安全化したモデル)に Claude Code から到達できるようになりました。モデル本体の仕様・価格($10/$50)・統合変更(refusal + fallbacks + 課金)は、別記事 Claude Fable 5 / Mythos 5 発表 にまとめてあります。
あわせて v2.1.170 では、VS Code 統合ターミナル(や Claude Code の環境変数を継承したシェル)から起動したセッションが transcript を保存せず --resume に出てこないバグが修正されています。VS Code 内で起動して履歴が消えていたなら、これが原因だった可能性があります。
セキュリティ / 権限まわりの修正
- OTEL クライアント証明書パスの信頼確認漏れ修正(v2.1.169) — 信頼されていないプロジェクト設定が、信頼確認なしに OTEL のクライアント証明書パスを設定できてしまう問題の修正。信頼まわりの穴なので、上げる動機になります
- エンタープライズ MCP ポリシーの適用漏れ修正(v2.1.169) —
allowedMcpServers/deniedMcpServersが、再接続時・IDE で打ち込んだ設定・--mcp-configサーバー(インストール直後の初回セッション)・リモート設定ロード前に強制されない問題を修正 - WebFetch のワイルドカードドメイン修正(v2.1.172) —
WebFetch(domain:*.example.com)のワイルドカードが allow/deny/ask いずれの位置でもサブドメインに一致しない問題、およびRead(secrets-*/config.json)のようなパターン途中のワイルドカードが起動時に拒否される問題を修正 - リモート管理設定の部分適用(v2.1.169) — 無効なエントリが 1 つあっても、残りの有効なポリシーは適用し、検証エラーを表面化(以前はペイロード全体を黙って破棄)
権限・信頼まわりの修正が複数あるので、エンタープライズ環境や WebFetch の許可ルールを使っている環境では特に上げる価値があります。
運用・可観測性の細かい改善
claude agents --jsonの拡充(v2.1.169) — blocked / 直前にディスパッチされたセッションが漏れていた問題を修正。--all(完了済みも含む)とid・stateフィールドを追加。CI やダッシュボードからのセッション監視がやりやすくなるpost-sessionライフサイクルフック(v2.1.169) — self-hosted runner で、セッション終了後・ワークスペース削除前に走るフック。未コミットの作業のスナップショットやログのエクスポートに使える。子プロセスの SIGTERM→SIGKILL の猶予も設定可能(既定 5 秒のまま)/workflowsがターン進行中でも即開く(v2.1.169)- Vertex / Foundry の 5 分アイドルタイムアウト復活(v2.1.169) — ストリームが固まったまま無限に待つのを防ぐ。
API_FORCE_IDLE_TIMEOUT=0でオプトアウト可 - Bedrock が
~/.awsからリージョンを読む(v2.1.172) —AWS_REGION未設定時に AWS SDK と同じ優先順位で解決。/statusがリージョンの取得元を表示 /pluginに検索バー(v2.1.172)、claude_code.lines_of_code.countOTEL メトリクスにmodel属性追加- 1M コンテキストの行き詰まり自動復旧(v2.1.172) — usage credit 無しで 1M コンテキストを使い行き詰まったセッションが、標準コンテキスト内へ自動コンパクトされるように
- workflow 検証の誤判定修正(v2.1.172) — スクリプトの文字列やコメントに
Date.now()/Math.random()が出てくるだけで弾かれていた問題を修正
ユーザー視点の重要度ランキング
--safe-mode(v2.1.169) — 不具合切り分けの定番になる。覚えておくと事故対応が速い- セキュリティ・権限修正(v2.1.169 / 172) — OTEL 証明書の信頼確認漏れ、MCP ポリシー適用漏れ、WebFetch ワイルドカード。理由を問わず上げる価値
- Claude Fable 5 対応(v2.1.170) — 最難タスク向けの上位モデルに到達可能。VS Code の transcript 未保存修正も同梱
- サブエージェント 5 段ネスト(v2.1.172) — 階層的タスク分解を深く回したい人に
/cd・disableBundledSkills(v2.1.169) — モノレポ運用・skill 配布まわりの日常改善
推奨アクション
- 全ユーザー:
claudeを v2.1.172 に更新する(セキュリティ修正と Fable 5 対応を含む) - 不具合に出くわしたら: まず
--safe-modeで素の状態を再現し、本体かカスタマイズかを切り分ける - エンタープライズ管理者: MCP ポリシーの適用漏れ修正(v2.1.169)は優先度が高い。OTEL 証明書の信頼確認漏れ修正も合わせて確認
- WebFetch の許可ルール利用者:
WebFetch(domain:*.example.com)のワイルドカードが効くようになったので、ルールを見直す - モノレポ作業者:
/cdでセッションを開き直さずパッケージ間を移動
まとめ
v2.1.169〜v2.1.172 は、--safe-mode / /cd / disableBundledSkills という運用を楽にする小機能、サブエージェントの 5 段ネスト、そして Claude Fable 5 対応(v2.1.170)が揃ったレンジでした。OTEL クライアント証明書の信頼確認漏れや MCP ポリシー適用漏れ、WebFetch ワイルドカードといった権限・セキュリティ修正も複数入っています。新機能を待つ理由は無く、v2.1.172 まで上げてしまうのが今回の正解です。
release notes タグで Anthropic / Claude Code のリリース情報を継続フォローしています。