2026-05-12 訂正: 本記事は初出時に v2.1.127 / v2.1.128 として公開しましたが、GitHub Releases を再確認した結果、v2.1.127 という公開リリースは存在せず、当該内容は実際には v2.1.128 と v2.1.129 だったことが判明したため、本日付で全体を書き直しました。出典不明だった LSP 関連項目も削除し、GitHub Releases の Body と公式 changelog に記載のある変更だけを掲載しています。
Claude Code が 2026-05-04 に v2.1.128、2026-05-06 に v2.1.129 を公開しました。前週の v2.1.121-126 ラッシュ(まとめ記事)に続く第 2 波で、「先週の挙動変更を巻き戻す」系の修正と、観測性・運用設定の細部に振った内容です。本記事では何が戻り、何が新しく、何を確認すべきかを整理します。
全体像
| バージョン | 公開日(UTC) | 主な変更 |
|---|---|---|
| v2.1.128 | 2026-05-04 23:01 | /color のランダム、/mcp ツール数表示、--plugin-dir が .zip 受付、OTEL_* 環境変数のサブプロセス非継承、MCP workspace 予約名、MCP 再接続時の tool 一覧サマリ化、EnterWorktree が local HEAD から作る、/model ピッカーの Opus 4.7 重複統合、vim mode の Space 修正、ほか 38 件 |
| v2.1.129 | 2026-05-06 01:40 | --plugin-url、CLAUDE_CODE_FORCE_SYNC_OUTPUT、CLAUDE_CODE_PACKAGE_MANAGER_AUTO_UPDATE、Gateway /v1/models discovery を opt-in 化、Ctrl+R 履歴ピッカーを全プロジェクト検索に復帰、skillOverrides の 3 段階制御、OTel claude_code.pull_request.count が MCP 製 PR を計上、policy refusal に API Request ID、ほか |
なお v2.1.127 という公開リリースは存在しません(skipped)。
v2.1.128(2026-05-04)— 操作感の整え
/color、/mcp、--plugin-dir
/color(引数なし)でランダムにセッションカラーが切り替わる/mcpが接続中サーバの tool 数を表示。0 tool で繋がっているサーバには警告フラグが付く--plugin-dirが.zipの plugin アーカイブも受け付けるように
サブプロセスへの OTEL_* 環境変数の非継承
Bash / hook / MCP / LSP の各サブプロセスは、Claude Code 自身の OTEL_* 環境変数を継承しなくなりました。これまで Claude Code を OTel で計測していると、Bash 経由で起動した OTel 計測対象のアプリが CLI 自身の OTLP エンドポイントを拾ってしまい、計測が混線するケースがありました。同じマシンで複数の OTel 計測アプリが共存する開発環境では地味に大きい改善です。
MCP の workspace が 予約名に
workspace という名前の MCP サーバは警告と共にスキップされるようになりました。既存設定で workspace を使っていた場合は 改名が必要です。
MCP 再接続時の tool 一覧 spam を抑制
切断・再接続を繰り返す MCP サーバが接続のたびに全 tool 名を会話に流し込む問題が修正。サーバ prefix でサマリ化されます。長時間 session で MCP がチラつく環境では、会話ログのノイズが目に見えて減ります。
EnterWorktree が local HEAD から分岐
重要:
EnterWorktree(SDK / Agent から worktree を切るオペレーション)の分岐元が、origin/<default-branch>から local HEAD に変更されました。未 push のコミットを取りこぼさないのが本来の意図で、ドキュメント通りの挙動に揃ったとのこと。
ただし、これは v2.1.133 で再度デフォルトが origin/<default> に戻され、worktree.baseRef: "head" 設定で local HEAD を選べる形に切り替わっています(続報は v2.1.132-138 のまとめ記事で詳述)。短い期間だけ EnterWorktree の挙動が変わっていたバージョン窓(v2.1.128〜v2.1.132)を運用上認識しておく価値があります。
/model ピッカーの整理
Opus 4.7 の重複エントリが統合、現行 Opus は「Opus」とだけ表示(従来は「Opus 4.7」)に。世代をまたいだ表示が増えていくことを想定した整理です。
SDK 向け: localSettings の永続化ヒント
SDK ホスト経由で動くセッションは、Bash 権限プロンプトで「Always allow」を押したとき .claude/settings.local.json に書き込まれるよう、永続化先のヒントが渡されるようになりました。SDK 開発者は UI に反映できます。
--channels が console 認証で動く
--channels が console(API key)認証でも動作するように。console org で managed settings を使っている場合は channelsEnabled: true を立てる必要があります。
その他、目につく修正
- 1M コンテキストのセッションで、autocompact ウィンドウが小さいときに「Prompt is too long」と早期に弾かれていた問題が修正
- 並列 shell ツール呼び出しで、read-only コマンドの 1 つが失敗すると兄弟呼び出しまでキャンセルされていた挙動を修正
- Bedrock デフォルトモデルが
global.*ではなくリージョン対応の prefix に解決 - vim mode: NORMAL モードの
Spaceが右移動 に(標準 vi/vim 挙動) - ターミナル進捗 (OSC 9;4) が tool 呼び出しの合間に点滅して消える現象を修正
claude -pへの 10MB 超 stdin パイプでのクラッシュループを修正
v2.1.129(2026-05-06)— ゲートウェイ巻き戻し、skill 表示、OTel 拡張
--plugin-url、auto-update、sync output
--plugin-url <url>で plugin .zip アーカイブをURL から直接フェッチ(現セッション限定)CLAUDE_CODE_FORCE_SYNC_OUTPUT=1で同期出力を強制 ON(Emacseatなどで自動検出が外れる端末向け)CLAUDE_CODE_PACKAGE_MANAGER_AUTO_UPDATEを立てると、Homebrew / WinGet 経由インストールで Claude Code がバックグラウンドで自己アップグレードし、再起動を促す
Gateway /v1/models discovery が opt-in 化
v2.1.126 から v2.1.128 の間、/model ピッカーは ANTHROPIC_BASE_URL(自前 Anthropic 互換ゲートウェイ)の /v1/models を自動で叩いてモデル一覧を出す挙動でした。これが v2.1.129 で opt-in に巻き戻りました。
# 自前ゲートウェイ + Claude Code でモデル一覧を引きたい場合
export CLAUDE_CODE_ENABLE_GATEWAY_MODEL_DISCOVERY=1
claude
影響:
- 自前ゲートウェイで
/v1/modelsを実装していない運用は、/modelピッカーが勝手にエラーを吐かなくなる(正常化) - 一方で、ゲートウェイ経由のカスタムモデル一覧を使っていた人は、明示的に env を立てる必要があります
Ctrl+R 履歴ピッカーが pre-2.1.124 の挙動に復帰
Ctrl+R の履歴検索が、全プロジェクト横断のプロンプト検索(2.1.124 より前のデフォルト)に戻りました。Ctrl+S で現プロジェクトに絞り込みができます。2.1.124 〜 .128 ではカレントプロジェクト内のみだったため、「前のリポで打ったあのコマンド」が見つからない、という不満を返した形です。
skillOverrides 設定が 3 段階で効く
skill ごとに見え方を 3 段階で制御できるようになりました。
| 値 | 挙動 |
|---|---|
off | model からも /skills ピッカーからも完全に隠す |
user-invocable-only | model には見えないが、ユーザーが /skill で手動起動は可能 |
name-only | model には名前だけ渡し、description は省略 |
// .claude/settings.json
{
"skillOverrides": {
"frontend-design": "user-invocable-only",
"claude-api": "name-only",
"old-skill": "off"
}
}
チーム運用での意味: skill が増えて system prompt が肥大しがちな問題に正面から効きます。name-only は skill 名だけ model に渡し、description を省略するので、長文の説明をモデルに抱えさせずに済みます(model は名前から判断できる skill 限定で有効)。
OTel claude_code.pull_request.count が MCP 製 PR を計上
claude_code.pull_request.count メトリクスが、MCP ツール経由で作られた PR / MRもカウントするようになりました。これまで Bash 経由の gh pr create だけしか計上されておらず、**GitHub MCP server や GitLab MCP server を使う運用が「PR 0」**に見えていた問題が解消します。
エンタープライズで「Claude Code の生産性メトリクス」を運用している場合、ダッシュボードの数字が今週から増えて見えることになります。増えた = 不具合ではない点に注意。
Policy refusal メッセージに API Request ID が同梱
エンタープライズの content policy で refusal が返ったとき、エラーメッセージに API Request ID が含まれるようになりました。Anthropic サポート照会時の照合がスムーズになります。社内ヘルプデスク手順に「Request ID をコピーして起票」を加えると吉。
Third-party deployments で first-party の spinner tip を出さない
Bedrock / Vertex / Foundry / 自前ゲートウェイ経由ユーザーに対して、Anthropic 公式の Claude.ai / Claude Code の機能を勧める tip が出てしまっていたのを修正。エンタープライズ配布時の社内ガイドとの齟齬が消えます。
plugin manifest の themes / monitors
plugin manifest で themes と monitors は "experimental": { ... } 配下に書く形に移行が推奨されました。トップレベル記述も当面は動くものの、claude plugin validate が warning を出します。
ユーザー視点の重要度ランキング
- Gateway model discovery の opt-in 化(v2.1.129) — 自前ゲートウェイ運用は env を確認
skillOverrides3 段階(v2.1.129) — skill 多用環境の system prompt 肥大対策- OTel
claude_code.pull_request.countの MCP PR カウント(v2.1.129) — エンタープライズの観測ダッシュボード見直し - Policy refusal の API Request ID(v2.1.129) — サポート照会フローの整備
Ctrl+R全プロジェクト検索復帰(v2.1.129) — 個人開発者にとって地味に大きい- サブプロセスへの
OTEL_*非継承(v2.1.128) — OTel 計測アプリと共存する環境で混線解消 - MCP 再接続時の tool 一覧サマリ化(v2.1.128) — 会話ログのノイズ削減
EnterWorktree分岐元の変更(v2.1.128) — v2.1.133 で再度切替なのでバージョン窓を認識
推奨アクション
- 全ユーザー:
claudeを v2.1.129 以降に更新(claude update)。さらに最新は v2.1.138(続報) - エンタープライズ管理者:
- OTel ダッシュボードで
claude_code.pull_request.countの見える数値が変わるはずなので、単純比較を避けるアノテーションを入れる - policy refusal の Request ID 同梱をヘルプデスク手順に反映
OTEL_*非継承でサブプロセス側の計測経路が変わる可能性。Bash 起動の社内ツール側で OTLP 設定を別途渡しているか確認
- OTel ダッシュボードで
- 自前ゲートウェイ利用者:
/v1/modelsを実装しているならCLAUDE_CODE_ENABLE_GATEWAY_MODEL_DISCOVERY=1を~/.claude/settings.jsonのenvか shell rc に固定 - skill 多用環境: 要らない skill を
skillOverridesで off / name-only、ユーザー手動起動でいいものはuser-invocable-onlyに振り分け - MCP
workspaceを使っていた人: サーバ名を改名
先週からの流れで見ると
- v2.1.121-126(4/28-5/01): MCP
alwaysLoad、Bedrock service tier、claude project purge、--dangerously-skip-permissions拡張、allowManagedDomainsOnlyのセキュリティ修正など、機能追加 + 重要な security 修正 - v2.1.128-129(5/04-5/06): 先週入った変更の回帰修正(Gateway / Ctrl+R)、UX 細部の磨き直し、観測性の底上げ(OTel / Request ID)
- v2.1.131-138(5/06-5/09): VSCode Windows / Mantle 認証 / worktree baseRef / auto mode hard_deny / MCP OAuth 日次再認証バグ修正 等(続報)
先週で機能を盛り、今週で運用品質を整える——という流れです。
まとめ
派手な機能追加はありませんが、「先週の挙動変更で困った人に向けた巻き戻し」と「エンタープライズの観測性底上げ」が並ぶ実用的な 2 リリースでした。とくに skillOverrides 3 段階(v2.1.129) は skill 多用チームには即効で効く設定、OTel メトリクスの MCP PR カウント(v2.1.129) は内製ダッシュボードを見直すきっかけになります。
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