Cursor が 2026 年 5 月後半に 3.5(5/20) と 3.6(5/29) を立て続けに公開しました。4 月の 3.0 で「エージェントを並列に走らせる Agents Window」を中心に据えた大改装をした流れの続きで、今回は 実行の安全性(Auto-review) と 定期実行・チーム共有(Automations / Shared Canvases) が主役です。Claude Code を主に使っている読者向けに、各変更を「何に使えるのか」目線で整理します。
※ 本記事は公開時点の changelog に基づきます。Cursor は更新が速いので、最新は公式 changelog を参照してください。
全体像
- 3.6(5/29) — Auto-review という新しい実行モード。許可リスト即実行 + サンドボックス + 分類サブエージェントの 3 段で、承認プロンプトを減らしつつ安全に長く走らせる
- 3.5(5/20) — Shared Canvases(成果物のライブ共有)、
/loopスキル、Automations の Agents Window 移行・複数リポジトリ対応、マーケットプレイステンプレート - 5/19 — Jira 連携。課題に Cursor を割り当て /
@Cursorメンションでクラウドエージェント起動 - 5/18 — Composer 2.5。長尺タスクでの一貫性が向上、価格も明示
3.6:Auto-review という実行モード
3.6 の目玉は Auto-review です。エージェントを長く走らせるほど承認プロンプトが増えて手が止まる、という問題に対する答えで、実行されるアクションを 3 段階で捌きます。
- 安全と分かっているものは 許可リストで即実行
- それ以外は サンドボックスで実行
- 残りは 分類サブエージェントが実行可否を判断
これは Claude Code の auto mode / hard_deny(自然言語ルールで自動承認・自動拒否の境界を引く設計)と発想が近いものです。違いは、Cursor が「サンドボックス + 分類器」というインフラ寄りの安全網を前面に出している点。承認疲れを減らしたい長時間タスクで効きます。Claude Code 側の考え方は auto mode hard_deny 実用設計 と読み比べると面白いはずです。
3.5:Automations と Shared Canvases
3.5 はチーム運用・定期実行まわりの強化が中心です。
Automations の Agents Window 移行 — 自動実行の設定が新インターフェースに統合され、複数リポジトリを 1 つの環境にまとめてエージェントに横断させられるようになりました。さらに リポジトリを持たない Automation(外部ツールの監視用)も作れます。Slack ダイジェストや財務レポートなど 5 つのマーケットプレイステンプレートも提供され、ゼロから書かずに始められます。
/loop スキル — 「ある条件を満たすまで、プロンプトをローカルのスケジュールで繰り返し実行する」スキル。テストが緑になるまで回す、といった用途を Cursor 内で完結できます。
Shared Canvases — エージェントが作ったレポート・ダッシュボード・UI の ライブスナップショットをリンク共有し、チームがブラウザで開ける機能。「成果物を見せる」段が一段楽になります。
5/19:Jira 連携
Cursor が Jira の中から直接使えるようになりました。課題に Cursor を割り当てるか、コメントで @Cursor とメンションすると、バグ修正・機能追加・調査のクラウドエージェントが起動します。課題管理ツールから直接エージェントを呼べる流れは、GitHub の issue / PR 起点でエージェントを動かす最近の潮流と同じ方向です。
5/18:Composer 2.5
Cursor 独自モデル Composer の最新版 2.5。長く走るタスクでの知能と振る舞いが「実質的に向上」し、複雑な指示への追従が安定したとされます。価格は次の通り(公開時点)。
| プラン | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| Standard | $0.50 / 1M tokens | $2.50 / 1M tokens |
| Fast(既定) | $3.00 / 1M tokens | $15.00 / 1M tokens |
既定は Fast ですが、出力単価は Standard の 6 倍です。長時間のエージェント実行ではトークン総量が効いてくるので、速度が要らない作業は Standard に落とすだけでコストが大きく変わります。トークン予算の制御という観点は、Claude API 側の Task Budgets の考え方とも通じます。
ユーザー視点の重要度
個人開発・小規模チームでの効き目順に並べると、こうなります。
- Auto-review(3.6) — 長時間タスクの承認疲れを最も直接に減らす。今回いちばん体感が変わる
- Automations のマルチリポ対応(3.5) — 複数リポを跨ぐ定期作業を組んでいるなら大きい
- Composer 2.5(5/18) — 既定モデルの素の質が上がる。常時恩恵
- Jira 連携(5/19) — Jira 運用チームには刺さるが、個人開発では優先度低め
- Shared Canvases(3.5) — 共有が主目的のチーム向け。一人開発では使いどころが限られる
まとめ
5 月後半の Cursor は、3.0 で敷いた「エージェント並列実行」の路線を、安全に長く走らせる(Auto-review) と 定期・横断で回す(Automations) の両面から固めにきた印象です。Claude Code を主軸にしている人も、Auto-review の設計思想や Composer 2.5 の価格感は押さえておく価値があります。両者の実務的な棲み分けは、次の記事 Claude Code と Cursor をどう使い分けるか で掘り下げました。